[ Society 5.0 ]は、以前にも紹介したことがありましたが、概念的な紹介であったと記憶しています。昨日は東京からNTT社のO氏がご来札されて、ある会にてSociety 5.0に関する卓話をして頂きました。当日の進行が少し押してしまい、講義時間が非常に短く残念だったのですが、非常に具体的な内容でしたのでご紹介したいと思います。
まず「そもそもSociety 5.0とは?」これを確認してみましょう!写真のとおりですが、
狩猟社会(Society 1.0)、農耕社会(Society 2.0)、工業社会(Society 3.0)、情報社会(Society 4.0)に続く新たな社会を指すもので、第5期科学技術基本計画において我が国が目指すべき未来社会の姿として提唱された。
というふうに内閣府のホームページで紹介されています。
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www8.cao.go.jp/cstp/society5_0/index.html
政府広報でも分かりやすく紹介されています。
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www.gov-online.go.jp/cam/s5/
さて、多くの我々日本人は、個人情報の扱いに関して非常にナーバスな感情をお持ち出ないでしょうか?個人情報保護法の下、企業側にも厳しい管理体制課せられています。
ではところで、普段当たり前に使っている「Google Map」などのアプリを意識したことはありますか?AppleやAmazonも同様ですが、こうした便利なサービスの利用はもはや日常生活の一部と化しています。
ところが、こうしたサービスを利用した時の個人データーがすべてアメリカの企業側に渡っているとしたらどう思いますか?これらのデータは実際にアメリカに渡り、彼ら(Googleなどの企業)の成長の大きな原動力になっているとしたら・・・・実際こうした個人情報の活用が急激な企業成長を成せた主たる要因だそう。O氏の卓話は、冒頭からこんなショッキングな事実から始まりました。
[ Society 5.0 ]は、こうした情報を、日本であるならば、日本で活用して、国、地域の発展のために活用しよう!という側面があるということです。ですので、僕がそれまで抱いていた[ Society 5.0 ]に対するイメージ、「ICTやAIを駆使して、人手不足を補い、暮らしを便利にする」という解釈をしていましたが、それだけではなかったと理解を新たにした次第です。
そして、ここ札幌ですでに先進的な実証実験が行われており、成果も出ている事例を伺いました。我々の行動データがシステムで管理されマーケティングに活用されることの是非はさておいて・・大きな考えとして『デジタル トラスト』(という表現を使っていました)を構築するものです。
〜企業と市民と団体
〜IoTやAIなどの技術
〜主に企業が持つBig Dataと公共インフラ等のOpen Data
〜観光も交通も小売りも
〜医療も教育も文化もエネルギーも環境も防災も
こうしたすべての「組織」「情報」「技術」を共有すべく自治体等が主体となり” Digital Trust ” を形成して活用する。一見難しいのですが、要は全部纏めてみんなで活用しましょう! まずは「協調領域」を形成し、その先に「競争領域」があると。で、これを分野毎に応用するわけです。
たとえば、インバウンドに対して。札幌のインバウンドの実態把握に関してこれまでは、
〜札幌市は、空港入国記録、空港でのアンケート調査、宿泊施設からの報告をもとに推計を出していた。
〜札幌市観光協会は、雪祭りなどで人の手によるカウントを行っていた。
〜商業施設では、免税システムを個別導入で外国人の購入金額は把握できるが、既存のPOSとは連動していない。
などなど、どうみてもバラバラで、実態の把握にはほど遠い現状。そこで、Dataを出し合い、実態を可視化して、札幌全体でインバウンド市場拡大のアクションを展開したいと、【 札幌市関係団体の合意が形成された 】
何をしたかというと、
【人流Data】
・SAPPORO CITY Wi-Fi
・携帯基地局Data
・GPS
・SNS(Twitter等)
=データソース===========
札幌市、NTT
×
【購買Data】
・免税システム〜国籍、品目、金額等
=データソース===========
百貨店、ドラッグストア、商業施設
※これらは社内の機密情報で決して外部に出す事の出来ない情報です。これらのDataを出し合い、共有して、分析する。
文字だけで説明するのは非常に難しいのですがバッサリと簡単にお伝えすると、これにより『外国人観光客がどこで何をしているか?』ということが把握できて、それに対する効果的なプロモーションを実施することで、非常に精度の高いアプローチが可能となり大きな成果をだすことに成功した。と言うことです。
もう少しきちんと説明出来ればよいのですが、凄いの一言に尽きます。